スパイウェアから身を守る

 最終更新日: 2026年10月15日
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スパイウェアとは、あなたのデバイスに感染し、知らないうちに、同意もなくあなたを監視してデータを盗むソフトウェアのことです。最も狙われやすいのはスマホです。詳細な位置情報や多要素認証(2FA)のコード、その他たくさんの個人情報が記録されているからです。ただし、ノートパソコンやその他のデバイスが狙われることもあります。

スパイウェアは、プライベートなメッセージを抜き取り(Signalのような暗号化メッセージアプリでも)、2FAコードにアクセスし、会話を監視し、位置情報をリアルタイムで追跡し、さらには気づかないうちにカメラやマイクをオンにすることさえできます。こうしたデータはすべて、スパイウェアを操る側に送り返されます。スマホを使っているあなたの肩越しに、誰かがずっと画面をのぞき込んでいるようなものです。

スパイウェアは民間企業によって作られ、政府に販売されています。そして犯罪者だけでなく、活動家、ジャーナリスト、弁護士に対しても使われています。最近では、ICE(移民・関税執行局)がスパイウェアツールへのアクセス権を購入しました。

モバイル向けスパイウェアとして最もよく知られているのは、Pegasus(NSO Group製)とGraphite(Paragon Solutions製)の2つです。どちらの企業も、米国でいうNSAにあたるイスラエルの「8200部隊」の元幹部たちによって設立されました。でも、新しいスパイウェアは次々と見つかっています。しかもスパイウェアは、「マルウェアデバイスに害を与えたりデータを盗むために作られたソフトウェアの総称。しばしばだましてリンクをクリックさせたり、ファイルを開かせたりしてインストールされる。スパイウェアスマホやパソコンに感染してデータを盗み出すソフトウェア。多くの場合、メッセージ(Signal含む)を読んだり、位置情報を追跡したり、カメラやマイクをオンにすることが可能。最先端のスパイウェアは高価なので、主に知名度が高いアクティビスト、ジャーナリスト、弁護士などが標的にされる。もマルウェアの一種。詳しくはこちら:EFF Surveillance Self-Defense」や「ストーカーウェア」と呼ばれるもっと大きな世界のほんの一角にすぎません。こうしたツールは、抑圧的な政府や、パートナーに暴力をふるう人たちが、相手を黙らせるためにも使っています。スパイウェアは、クリックすらしなくても、ごく普通のオンライン広告を通じて送り込まれることさえあります。

自分がスパイウェアの標的になる可能性はどのくらい?

政府はスパイウェアを犯罪者にしか使わないと主張していますが、政府が政治活動家、ジャーナリスト、弁護士に対して使った事例は数多く記録されています:

まずはセキュリティの基本チェックリストから始めて、それからこのガイドに戻ってくるのがおすすめです。そのガイドは、位置情報の追跡や、警察がデバイスを押収した後に使うスマホのロック解除ソフトなど、もっと安く使える監視技術から身を守るのに役立ちます。

抑圧的な政治家たちがアメリカを権威主義へと押し進め続けるなか、高度なスパイウェアがアクティビストに対してより広く使われるようになると考えておくべきです。

良いニュース: スパイウェアやストーカーウェアから身を守るための対策は、あなたが実際に受ける可能性の高い他の種類の攻撃を防ぐことにも役立ちます。なので、どちらにしてもやっておく価値があります。

基本の対策

すべての人

このセクションは、アクティビズムや権利擁護に関わるすべての人向けです。

ドクシングが心配なら、「デジタルセキュリティの基本」チェックリスト →にあるステップを済ませておくのがおすすめです。

ドクシングの標的になった場合、その多くが、あなたのアカウントやデバイスに誰かがアクセスしようとするのを防いでくれます。

「基本」チェックリストの中でも、特に大切なのは次の項目です:

  • ほとんどのアプリで位置情報の追跡をオフにする
  • パソコン、スマホ、アプリに最新のソフトウェアアップデートをインストールする
  • **パスワードマネージャーアカウントごとに固有の強いパスワードを作成・記憶してくれるアプリ。覚えておくのはマスターパスワードひとつだけでよい。アカウントごとにパスワードが別々になるので、どこかのサイトがハッキングされても、攻撃者がそのパスワードを他の場所で悪用することはできなくなる。詳しくはこちら:セキュリティの基本**を使う
  • 弱いパスワードや複数のサイトで使い回しているパスワードがあれば、今使っているパスワードを変更する。
  • 重要なアカウントで**2要素認証(2FA)ログイン時の追加ステップ。パスワードを入力したあと、別の方法でもう一度本人確認を行う。認証アプリ二要素認証用のログインコードを生成するスマホのアプリ。攻撃者に傍受されるおそれのあるテキストメッセージでコードを受け取るより安全。Ente Auth や 1Password はこの機能に対応している。詳しくはこちら:セキュリティの基本の6桁のコード、テキストメッセージ、場合によってはパスキーパスワードに代わる新しいログイン方法。スマホやパソコン、パスワードマネージャーがアカウント用の秘密鍵を保存し、顔認証や指紋、パスコードでロックを解除する。パスワードを直接入力しないので、フィッシングサイトに盗まれることがなくなる。セキュリティキーは似た仕組みで、差し込んだりタッチしたりして使う物理デバイス。詳しくはこちら:EFFなど。家に入るのに鍵と暗証番号の両方が必要なようなもの。たとえパスワードを盗まれても、二つ目のステップなしではアカウントに侵入できない。詳しくはこちら:セキュリティの基本**を有効にする
  • 怪しいリンクはクリックしない
DO: 通知が来たらすぐにアップデートをインストールする
DO NOT: 「後でアップデート」ボタンを押し続ける

OSのアップデートが出るたびに、セキュリティホールが修正されています。インストールしていないアップデートが増えるほど、警察があなたのデバイスをハッキングできる手段も増えていきます。鍵のかかっていないドアがどんどん増えていく、大きな建物を想像してみてください。

OSが最新の状態でなければ、このガイドで紹介している他の対策の多くも、あなたのデータを守れません。

まずはスマホから始めましょう。リスクの高い活動をする場合は、すべてのデバイスをアップデートしておきましょう。

アップデートのやり方

セキュリティアップデートはとても大切なので、手順を一つずつ案内するツールを作りました。

手動でアップデートする方法

手動でアップデートしたい場合は、デバイスごとに次の手順で行えます:

スパイウェアは高度な攻撃の一種で、私たちのデバイスにある巧妙な脆弱性を悪用します。これに対抗するため、AppleとGoogleはスパイウェアへの防御を強化する高度なセキュリティモードを導入しています。

iPhoneではロックダウンモード、Androidでは高度な保護機能プログラムと呼ばれています。 (Androidスマホを持っていなくても、Googleアカウントだけで高度な保護機能プログラムを有効にすることもできます。)

Appleのロックダウンモードをオンにしていたのにスパイウェアに感染した、という報告はまったくありません。 Androidの高度な保護機能は比較的新しく、その効果はまだ実証されていません。

iPhoneでロックダウンモードを有効にする方法

この機能はiOS 16以降で利用できます。

Androidで高度な保護機能を有効にする方法

注:この設定の場所はAndroid端末によって異なる場合があるので、設定の検索バーで「高度な保護機能」と検索するのがおすすめです。

この機能はAndroid 16以降で利用できます。

Citizen Labの調査で、日常的に使うアプリやウェブサイトに表示されるターゲティング広告を通じてスパイウェアが送り込まれていたことがわかりました。広告が読み込まれるだけでデバイスが感染してしまいます。広告を目にしていなくても、クリックしていなくても、です。

広告をブロックすれば、この侵入経路をふさげます。さらに、警察やデータブローカーが広告ネットワークを通じてあなたの位置情報を追跡するのも難しくなります。

広告をブロックする方法

  • スマホに広告ブロック機能のある信頼できるVPNをインストールして、常にオンにしておく。 ブラウザだけでなくアプリ内の広告もブロックできるので、これが一番大事なステップです。 IVPNでは、AntiTrackerをオンにします。 Proton VPNでは、NetShieldをオンにします(有料プランのみ)。 VPNの設定方法を参照してください。
  • パソコンにも同じVPNをインストールして、そちらでも広告ブロックをオンにする。
  • 広告をブロックできるプライバシー重視のブラウザを使う。 たとえばBraveや、uBlock Originを入れたFirefoxなどです。ただし、守られるのはそのブラウザでの操作だけです。

VPNを使いたくない場合は、AdGuardのような広告ブロック機能付きのDNSサービスを使えば、代わりにスマホ全体で広告をブロックできます。暗号化DNSを参照してください。

ICEをはじめとする警察機関が位置追跡ツールを使っていることがわかっています。これらのツールは、スマホが発信する「広告ID」に部分的に依存しています。こうしたツールは、社会運動の弾圧によく使われています。

広告IDは、広告経由で送り込まれるスパイウェアの標的選びにも使われてきました。

iPhoneでは、この機能はデフォルトで無効になっています。 Androidではデフォルトで有効になっているので、無効にする必要があります。

広告IDを無効にする方法

iPhoneでは、この設定はデフォルトで無効になっています。でも、念のため確認しておきましょう。

この設定の場所は機種によって違うので、検索するのがいちばん簡単です。

Apple、Googleなどのサービスは、アカウントやデータを狙った標的型攻撃から守るための追加のセキュリティ機能を提供しています。これらが守るのは各社のオンラインアカウントで、デバイスそのものではありません。

Appleの「高度なデータ保護」を使うと、ほとんどのコンテンツでエンドツーエンド暗号化自分と会話の相手だけがメッセージを読める暗号化パスワードやパスコードなど、鍵を持つ人だけが読めるように情報をスクランブルすること。それ以外の人には、暗号化されたデータはランダムで判読不能な文字列にしか見えない。詳しくはこちら:EFF Surveillance Self-Defenseの形式。アプリの運営会社も読めないので、警察に求められたとしても提出できるものはなにもなくなる。ただし、誰といつやり取りしたかは通常隠せないし、ロックが解除された端末やハッキングされた端末上のメッセージは守れない。詳しくはこちら:EFF Surveillance Self-Defenseが有効になります。

メール/クラウドアカウントで高度な保護を有効にする方法

データを守る:

アカウントを守る:

さらに強化した対策

中程度の脅威

このセクションは、リーダー的な役割を担っている人や、国家や対立勢力から標的にされやすい運動分野に関わっている人向けです。

泥棒に家へ侵入されにくくしたいなら、簡単な方法のひとつはドアの数を減らすこと。デバイスの中では、アプリひとつひとつが外の世界への「ドア」の役割を果たしていて、攻撃を受けるリスクを高めてしまいます。アプリにバグや脆弱性があると、デバイス全体が危険にさらされることがあります。

アプリの削除方法

  1. スマホに入っているアプリをすべて確認する。 パソコンも同じように確認しましょう。
  2. 本当に必要かどうか判断する。 多くのアプリは、代わりにウェブサイトから同じように利用できます。たいていは少し不便になりますが、その分プライバシーとセキュリティが高まります。
  3. できる限りアンインストールする。 迷ったら、一週間アンインストールしてみて、なくてもやっていけるか試してみましょう。後からいつでも再インストールできます。

過去にスパイウェアに悪用されたアプリの例:

すでにスパイウェアに感染している場合、カメラやマイクにアクセスされて、デバイスをリアルタイムで監視される可能性があります。監視する側に見られるものを減らすために、少なくともインカメラはふさいでおくのがおすすめです。

インカメラをふさぐ方法

  1. 何度も貼り直せるくらい粘着力のあるシールを用意しましょう。または、SLNTのこのシールパックを使うのもおすすめです。
  2. スマホとノートパソコンに貼る
  3. インカメラを使うときだけ一時的にはがして、使い終わったら忘れずに貼り直しましょう。

自分の活動スタイルに合うなら、リスクの高い活動専用に別のスマホやパソコンを用意することも検討してみてください。

詳しくはサブのスマホのチェックリストをチェックしてください。

その場合でも、すべてのデバイスでセキュリティ対策を忘れずに行いましょう。機密性の高いやりとりやデータが入っているのが片方のデバイスだけでも、どちらのデバイスもスパイウェアの標的になる可能性があります。どちらからも、あなたの位置情報など、攻撃者が狙う個人情報がわかってしまうからです。 **GrapheneOS**に対応したスマホを選ぶのもひとつの手です。 GrapheneOSは、Google Pixelで動作する、セキュリティとプライバシーを重視したAndroidベースのOSです。

ほとんどのスパイウェアは、デバイスにファイルを一切書き込まないことで痕跡を隠そうとします。そのため、デバイスを再起動すれば、スパイウェアはひとまず消える可能性が高いです。とはいえ、まだ標的にされている場合は、相手がすぐにまたスマホを感染させようとしてくる可能性が高いです。感染の中には、リンクをクリックする(または何らかの操作をする)ことで起こるものもあれば、ユーザーが何も操作しなくても起こるものもあります。つまり、スマホをこまめに再起動すれば攻撃者にとって手間を増やすことはできますが、それでスパイウェアから確実に逃れられるわけではありません。

デバイスの検査

iPhone を使っているなら、iMazing でスパイウェアの分析ができます。無料で利用できます(「購入」ボタンはクリックしないでください)。技術に詳しい人は、Mobile Verification Toolkit (MVT) を使って、本人の同意のもとで詳しいデバイスのフォレンジック調査を行うこともできます。

ただし、デバイス上のスパイウェアを検出するのは簡単なことではありません。誰にでもスマホの調査を任せていいわけではありません。世界中の市民社会のメンバーが、以下の機関に頼って、専門家のサポートのもとでスマホを調べ、詳しい分析を行ってきました:

団体ごとに独自の審査プロセスがあり、先方で確認を進める間、返事が来るまでに時間がかかることもあります。

感染しているかもしれないサインに気づくには

スパイウェアは通常、目立った症状がなく、気づかれないうちに感染します。ただし、これまでスパイウェアの標的になった人たちからよく報告されている症状には、次のようなものがあります:

  • スマホのバッテリーが急に減る
  • 特定のアプリの動作がおかしい
  • データ通信量が異常に多い
  • 怪しいリンクや添付ファイルが届く

現在、AppleとWhatsAppは、傭兵型スパイウェアの標的にされた疑いのあるユーザーに定期的に通知を送っています。詳しくはAppleの脅威通知とWhatsAppの脅威通知をご覧ください。

もっと詳しく

  • Citizen Lab は、Pegasus による作戦を45か国で確認しています
  • Forensic Architecture は、それらの作戦がもたらした人的被害を、自身のサイト Digital Violence でマッピングしています

関連情報:アメリカ政府がインターネットのセキュリティを損なってきた歴史:

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